建てる前に要確認!
コンテナハウスのメリットデメリットと法的な注意点
コンテナハウスを建てる前に確認してほしいメリットとデメリットについて詳しく解説しています。また知らないと損をする可能性がある法律上の注意点も解説しています。
コンテナハウスは外観のおしゃれさと、その目新しさから若者を中心に日本でも話題となっています。しかし日本での認知度自体がそこまで高くないため、検討したいと思ってもなかなか情報がありません。そのため今回はコンテナハウスのメリットデメリット、建てる際の注意点を詳しく紹介していきます。
コンテナハウスのメリットデメリット
コンテナハウスには一般的な住宅とは大きく異なったメリット、デメリットがあります。ここではそのメリットデメリットについていくつか紹介していきます。
コンテナハウスのメリット
コンテナハウスのメリットはいくつかありますが代表的な例として
・建材となるコンテナ本体が安い
・施工期間が短い
・デザインの自在性が高い
・コンテナの外装をそのまま使える
以上の4つを紹介していきます。
建材となるコンテナ本体が安い
コンテナハウスの一番のメリットは建材としてのコンテナの安さです。建築用コンテナには100万円以下で購入できるものもあり、従来の建材より安価と言えます。またコンテナハウスは木造で建てられた従来の住宅より頑丈で、長期にわたり使用可能です。具体的な使用可能年数の目安は木造の場合22年ほどで、コンテナハウスの場合50年ほどと言われています。このような面からコストパフォーマンスも良いと言えます。
施工期間が短い
従来の住宅のように材料を運んでその場で一から作るわけでなく、もともと出来上がっているコンテナを分解し運んで組み立てているので、従来の建築より施工期間が短くなります。時間がかからない分、建築費用が安く済むことも大きなメリットと言えます。
デザインの自在性が高い
組み合わせ次第で2階建てなどの多階層住宅にしたり、空間を広く作ったりといった自由な家作りが可能です。また内装を普通の住宅のようにすることもできますし、外装に至っては後から塗装もしやすいのでいじりやすいです。さらにコンテナハウスは頑丈なため、わざと2階部分をずらしたり、十字にクロスさせたりするデザインもあり、建物の外観もある程度自由にできます。住む人のアイデア次第で独創的な住宅を建てられることはコンテナハウスならではの大きなメリットです。
コンテナの外装をそのまま使える
コンテナはそのままの見た目でも充分おしゃれに仕上がるため、コンテナの外観自体をそのまま使用することが可能です。ガレージやカフェ、ショップなどでは特にそのまま使われていることが多いです。また後から塗装を変えることも簡単にできるので、従来の住宅にはない外観の変化が楽しめます。
コンテナハウスのデメリット
ここからはコンテナハウスのデメリットについて
・熱がこもる
・設置場所を考える必要がある
以上の2つを例に見ていきます。
熱がこもる
当たり前の話ですが、コンテナは鉄の箱です。熱されれば熱くなり、熱がこもります。倉庫などとして利用される場合には、断熱材を使わないと温度が上昇し続けるので注意が必要です。しかしこのデメリットは断熱材を使わず、コンテナをそのまま使用した場合に起こるものなので、住宅としてコンテナハウスを利用する場合にはあまり気にする必要はありません。
設置場所を考える必要がある
コンテナは前述した通り、すでに出来上がったものを組み立てます。そのためある程度の大きさの物を運んで組み立てることが必要であり、設置する場所にはそれが出来るだけの空間が求められます。また設置する場所まで大型のトラックが来られるか、クレーンなどの重機が使えるのかなど、事前に考え確認することが必要になってきます。
コンテナハウスの注意点
コンテナハウスを建てる際にはいくつかの注意点があります。ここではよく挙げられる
・固定資産税がかかる
・建築確認申請
以上の2つについて詳しく解説していきます。
固定資産税がかかる
コンテナハウスを建てる際に一番話題になるのが固定資産税がどうなるのかです。固定資産税とは、「住まいや土地(不動産)の所有者に、所在する市町村から課せられる税金」のことです。住居としてコンテナハウスを建てるとなると「固定資産税がかかるのか」という部分がよく問題となります。
「コンテナは移動可能であり不動産とは呼べない。だから固定資産税の対象ではない。」という意見も中には存在します。本来であれば、コンテナは輸送用の箱なので上記の通り固定資産税はかからないです。しかし「コンテナハウス」は建築基準法の定義上、固定資産税が発生する「建築物」の条件に該当します。そのためコンテナハウスには固定資産税がかかってしまうということす。
建築確認申請
建築確認申請は「事前に設計図を役所に提出し、建築確認という許可申請を行うこと」です。10平米以上の建築物の建設を行う際には義務付けがされています。この建築確認申請で確認されるのは
・この設計図の住宅が建設可能なのか
・道路に面しているか
・建築物の大きさ
・耐震性
主に以上の項目です。
コンテナハウスを建てる際には「建築確認申請」が通るのかが重要です。理由はコンテナハウスの確認申請では、使われるコンテナの種類次第で申請の通りやすさに大きな違いが出るためです。ここからはコンテナの種類について詳しく解説していきます。
コンテナハウスを作るコンテナには
・ISO規格コンテナ
・JIS規格コンテナ
という2種類の規格のコンテナが存在しています。それぞれ詳しく解説していきます。
ISO規格コンテナ
コンテナハウスが安いと言われる原因がこの規格のコンテナにあります。これは海上コンテナというコンテナを利用、または再利用したもので価格が安くなっています。中古であれば10万円以下で購入できるものもあるほどです。この価格は、もう一方のコンテナの10分の1以下です。
しかし安さの反面で問題もあります。日本で建築物を取り扱う規格は「JIS規格」というものですが、海上コンテナの規格はISO規格のため、建築確認申請が通りにくいです。そのため申請する自治体によっては許可が下りないということが難点です。海上コンテナを使用したコンテナハウスは安い一方、法の面でのハードルが上がってしまうため、価格と申請のハードルどちらを取るか決める必要があります。
JIS規格コンテナ
こちらのコンテナは日本国内の規格であるJIS規格にそって作られた、「建築用コンテナ」と呼ばれるコンテナです。日本で見られるコンテナハウスの多くは、このJIS規格コンテナで建てられています。見た目はそう変わりませんが、JIS規格コンテナは「建築基準法」にそって製造されているため、建築確認申請はスムーズに通ります。ISO規格コンテナに比べると高く感じられますが、従来の住宅よりコスパは良いのでJIS規格コンテナも充分安価と言えます。
まとめ
コンテナハウスならではのメリットデメリット、法的な注意点は伝わったでしょうか。コンテナハウスは安価で頑丈で良いことも多いですが、きちんと規格についてなども知っておかなければ、時間やお金が余分にかかることがあります。「こんなつもりじゃ…」と後悔しないためにも、価格と申請スピードどちらを取るかや、建てたい場所のスペースや運搬の問題などをしっかりと吟味し、準備して下さい。コンテナハウスは様々な可能性に満ちていますので、ぜひデザインや外観などを自分好みに作って楽しんで下さい。